大分県宇佐市 常徳屋酒造場さん

 

飲食店員をしていた15年間で1度だけ、

❝ ここの蔵元の焼酎を取り扱ってください ❞

とお願いされたことがありました。営業ではない、人としての心からの願いとして僕は受け取りました。

鹿児島酒造の総杜氏、黒瀬安光さんが自社のことではなく、今回のテーマであります常徳屋酒造場さんのことをおっしゃったのです。

あの時は正直、びっくりしました。

これが常徳屋酒造場、中園誠社長(杜氏)との忘れられない出逢いとなりました。

 

大分県宇佐市

 

麦焼酎、果実酒と造られる常徳屋さんには原料は ❝ 全て地元宇佐産のものを使用する ❞ という強いこだわりがあります。

ということもあり、焼酎のご案内の前に、僕が実際に行って感じた ❝ 大分県宇佐市 ❞ について少し記してみようと思います。

 

① 宇佐神宮

 

初めて宇佐へ行ったとき、中園さんの計らいで、大分空港まで車で迎えに来てくださり、まずは国宝の宇佐神宮へと案内してくださいました。

ここでのお宮参りの仕方は僕に衝撃を与えました。

大きく間隔を空けた賽銭箱が3つあったのですが、これは混雑を避け、人を分散させるためのものだと勝手に判断しました。

せっかく東京からここまで来たんだからと思い、意気揚々と僕は小銭入れで一番大きなお金500円玉を入れ、手を合わせました。

ふと中園さんを見ると隣の賽銭箱へと移り、またお金を入れ、手を合わせています。そして3つ目も同じように…。

なるほど、これが宇佐神宮のやり方かと思い、それに従うことにしました。

でも、これで終わりではなかったのです。

 

 

道を進んでいくとまた同じように大きく間隔を空けた3つ賽銭箱があるのです。

一瞬で理解しました。またか…。

この3つは少額に納めよう。ここで自分の煩悩に気づかされました。

そんな様子を中園さんは笑って、神様もお金が必要なんだねと言っておられました。

皆様も宇佐神宮に行かれる際は、ご自身の煩悩と闘ってみてください <m(__)m>

 

② 第2工場

 

車に戻り蔵へと行く道中、ある焼酎の文字が街の至る所で目に付くようになってきました。

ご存知「いいちこ」です。

ここ宇佐市内は総じて三和酒類さんの色が強く、酒屋さん、飲食店さんの看板などは三和さんが協賛する形で営業活動をなさっているようでした。

それを中園さんの前で口にするのは失礼だと思い、黙っていましたが、中園さんは自ら、

「うちの第2工場も行ってみる?」と言い、車を走らせてくださいました。

とてつもなく大きなタンクが確か5~6個並び、その存在感に圧倒させられました。

「これがうちの第2工場ね(笑)」

 

この業界における中園さんの人柄の良さは周知の事実です。半日の宇佐観光でそれは僕も実感しました。

また、以前「焼酎ブームが与えてくれた光と影を今こそ見つめ、そして考える!!」でお話しましたエピソード、あれは他でもない中園さんのことです。

❝ 大分の蔵元が今こうしてやっていけるのは三和さんの力によるところが大きい ❞

最後の一杯は「いいちこ」で… ということの真意を語った中園さんのお言葉です。

他社さんをしっかりとリスペクトする言動に、心から尊敬できる人だなと僕は思いました。

 

③ 戦争跡地

 

宇佐をあとにしようとホテルから最寄りの駅まで向かう途中、

辺り一面に広がる麦畑の真ん中、真っ直ぐ伸びる一本道をタクシーで走っていました。

綺麗な光景だなと思っていました。

するとタクシーの運転手さんは、太平洋戦争時代、ここは海軍航空隊の滑走路であったことを教えてくださいました。

また、麦畑の中に、小さな鎌倉のようなものが点々とあるのを確認しました。

今は農家さんの物置として利用されているらしいのですが、当時は軍用機を空襲から守る役割として作られ用いられていたそうです。

運転手さんの計らいで、一つの鎌倉へ案内してくださいました。

 

 

ゼロ戦のエンジンとプロペラが保管されていました。

思わぬ光景に言葉を失ってしまいました。

外からはとても綺麗なところだなと思わせる光景でしたが、その裏には言葉では表現し難い歴史が刻まれていたのです。

また、すぐ近くにはこの土地の方々が願う平和の記念碑が建てられています。

宇佐を出る直前、ひとりの日本人として、とても大切な時間を過ごすことができたのを覚えています。

 

 

おすすめ焼酎

 

では、焼酎のご案内を始めます!

「道中」というのがここの蔵元さんのブランドになります。

しつこいようですが、ご紹介します麦焼酎の ❝ 原料は全て地元宇佐産 ❞ です。

 

① 道中 宇佐ぼうず

 

一言で表すと、丁寧な麦焼酎というのが僕が考えているこの焼酎の特徴です。

しっかりと熟成をかけることで生まれる円やかさ、そして、繊細かつ確かに感じる麦の存在。

白麹の麦焼酎というのはこういうことなのかと思わせてくれる、大分が誇る麦焼酎だと思います。

白麹の詳しい味わいの説明については「教科書はいらない!焼酎の黒麹と白麹の違い5分でカイセツ!!」をご参照ください)

お刺身や前菜系、優しい味わいの煮物などと合わせるのがいいと考えています。

飲み方のおすすめは、濃いめの水割り、お湯割りです。

居酒屋さんなどではこの焼酎が一番よくお見掛けすると思います。

 

② 道中 焙煎燻蒸醸し

 

地元宇佐産の六条大麦、通称ハダカ麦(トヨノカゼ)を原料とし、それを焙煎させることではっきりとした麦の香ばしさが感じられます。

香り、後味共にインパクトがあり、

今、麦焼酎飲んでるなということがしっかり認識できるはずです。

僕は濃いめの水割りをおすすめします。

ここで合わせる料理は、ズバリ燻製系の料理です。

燻製の存在感に負けない力強い骨格がこの焼酎にはあります。

また、中園さんは「ジンジャーエール割り」をご提案していました。

スパイシーかつスモーキーな味わいは、照り焼きチキンのような少しこってりした肉料理との相性がとてもいいです。

また、ハダカ麦の特徴である甘さがジンジャーエールに見事にマッチングしてます。

こちらも合わせてお試しください!!

 

③ 常徳屋前割り

 
↑ 左です!右の焼酎は気にしないでください(笑)

 

蔵元さんが「前割り」を造るとここまで違うのか…と思わせてくれる、隠れた超一級品の本格麦焼酎だと僕は思っています。

16度という度数でありつつ、しっかりと後味の伸びが感じられます。

度数だけ見ると焼酎初心者の方におすすめするのがいいかと思いきや、これはいろんな麦焼酎を飲んできたという方にも自信を持っておすすめできる焼酎です。

ただ水で割るという話ではない、地元の水質ならではの柔らかさが決め手となる、焼酎と水が一体化した世界というものをご堪能頂きたいです。

ほうれん草の胡麻和え、鯖の塩焼きなど優しい香ばしさを演出する料理との相性が抜群です。

前割りなので割らずに、ロックもしくはそのまま温めて飲んでください。

 

 

他社さんからも中園社長(杜氏)の人の良さについてはよく耳にします。

❝ 人に愛される人が造る焼酎 ❞ がここの蔵元さんにはあります。

是非、常徳屋さんの焼酎、一度お試し頂きたいです。

 

最後に

 

冒頭でも記載しましたが、僕と常徳屋酒造場 中園さんを初めに繋いでくださったのは、鹿児島酒造 総杜氏の黒瀬安光さんでした。

僕にとって中園さんとの出逢いは掛け替えのないものとなりました。こういう形で僕の本格焼酎の世界を広げてくださった黒瀬さんには心から感謝しています。

本格焼酎が人と人とを繋いでくれたというのは言い過ぎでしょうか。

でも今回のケースだけではなく、各地で行われる焼酎のイベントなどをきっかけに生まれる新たな人と人との繋がりが実際にあります。

いつの日かこのブログをきっかけに新たな繋がりが生まれ、僕にとってもその方にとってもさらに本格焼酎の世界が広がっていけばいいいななんて考えています。

 

今回も最後まで読んで頂いた方、ありがとうございました!!
また読んでください (^_^)v


グラボト【本格焼酎販売店】

 

 

老舗蔵元が当店のためだけに造ってくださった ❝ ここにしかない本格焼酎 ❞ です。

酒質は、私鈴木が保証いたします!!

 

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