教科書はいらない!焼酎の黒麹と白麹の違い5分でカイセツ!!

 

日本料理における出汁にはいくつかの種類があるのはご存知だと思います。昆布出汁、鰹出汁、あご出汁…出汁は料理の基盤となるものですが、使われる素材は言うまでもなく料理において重要なものとなります。そこに具材、調味料を加え、料理は形成されます。

本格焼酎では、料理おにける出汁の素材が麹菌(黒麹、白麹)に当たると言えます。そこに原料(芋、麦、米、黒糖…)が加わり、焼酎は形成されます。

以前、黒麴菌と白麹菌の歴史についてはお話しました。

「黒麴菌」「白麹菌」の歴史!!たった一人の人物が歴史を変えた!!をご参照ください)

今回はこの2つの具体的な風味の違いについてご説明していきます。

今までこの問題から目をそらしていた方、必見です。
大丈夫です。難しいことは言いません。これだけ知ってれば安心という内容までブラッシュアップしてますから。

 

それでは始めます!!

 

黄麹

 

まずは簡単に黄麹菌から抑えておきましょう。

本来、清酒の世界で使用されていた黄麹菌も昔は焼酎の世界でもそれが主流であり、やがて黒麴菌、白麹菌に推移していったということは以前テーマにし、お話しました。

現在では、技術の発達に伴い、焼酎用黄麹菌として焼酎造りに使用されるケースは珍しくありません。

黄麹の特徴は、華やかでフルーティーと、黒麴、白麹とは明らかな違いを感じることができます。
焼酎に苦手意識がある方は(理由は様々だと思うので一概には言えませんが)黄麹の焼酎から始めてみるのがいいと思います。

「富乃宝山」が本格焼酎にハマったきっかけだったと言う方はいらっしゃいませんか?

確かに「富乃宝山」にはかつての芋焼酎とは一線を画す風味がその特徴と言え、今まで焼酎を愛飲されていなかった方も含めた多くのファンを獲得した言わずと知れた芋焼酎です。酵母や新しい蒸留方法といったことも特徴にあげられますが、黄麹を使用することで生まれる華やかさ、フルーティーさはこの焼酎の大きな特徴となっています。

「富乃宝山」をはじめとした黄麹を使用した焼酎はこのように香りの段階で黒麹、白麹との違いが感じられる、3つの中で最も特徴がわかりやすい麹菌かと思います。

 

黒麴

 

今日の本題です。

今回のテーマを黒麹、白麹と2つに絞った理由は、その違いこそが本格焼酎の今後の可能性をさらに拡大させる鍵だと僕は考えているからです。

焼酎の立ち位置は「食中酒」と言われてます。ここに異論はありません。
焼酎は(特に鹿児島では)割って飲むのが文化です。料理の味を損ねないよう焼酎は常に食卓のわき役に徹してきました。25度というアルコール度数が舌全体を覆うことで料理を邪魔することを避け、お湯、水で割ることで風味を柔らかくし、飲み続けられる状態にして食事を楽しみます

 

僕が問題としたいのはここからです。

 

ひとつの焼酎は全ての料理に合うわけではないということです。

 

たまに蔵元さんも次のように言われることがあります。

❝ 焼酎は食中酒だから合わない料理はない ❞ と。

立場的に蔵元さんを敵に回すようなことを言いたくないのですが、このお考えは少々乱暴だと僕は考えます。

少なくとも僕は今まで、この料理には何の焼酎が合うのかということと真剣に向き合い、飲食店の現場で働いていたときは常にお客様のテーブルの上の料理を見、そしてこれから出てくる料理を頭に入れた状態でなるべくベストな焼酎をセレクトしていました。

 

僕の考えは ❝ 一杯の焼酎にはそれに合ったジャンルの料理がある ❞ ということです。

 

ここでご説明する黒麹の焼酎にはその特性に合った料理があると思うのです。

前置きが長くなってごめんなさい…。黒麹の特徴についてお話しします…。

黒麹の焼酎の特徴は濃く、コクがあると言えます。別にダジャレを言ってるわけではありません。
原料の個性がよりダイレクトに表現されていると言いたいのです。

これは、割ったときになるほどと思って頂けると思います。味に伸びがあると言いますか、割っても味がくっきり残るのが黒麹の焼酎の特徴です。芯がしっかりしてる焼酎なんて言ったりもします。

ここで黒麹の焼酎で上記の特徴がしっかり感じられる焼酎の具体的な銘柄を書いておきます。これらの焼酎と白麹の焼酎を是非飲み比べてみてください。

 

薩摩茶屋 《芋焼酎》【村尾酒造】 
五郎 《芋焼酎》【吉永酒造場】 
釈云麦(じゃくうんばく) 《麦焼酎》【西吉田酒造】

 

 

黒麹の焼酎の特徴を踏まえた上で、ヒラメのお刺身をポン酢で召し上がる方に味のしっかりしたコクのある芋焼酎、麦焼酎をご案内することは果たしてベストな選択でしょうか?先程、黄麹のご説明で出てきました「富乃宝山」あたりがいいチョイスだと考えます。

鹿児島料理で言いますと、黒麹の焼酎は、黒豚の角煮などお味のしっかり目の肉料理が双方を引き立てると思います。

 

グローバルな時代となり、焼酎が海外の方にも飲まれる機会が今後ますます増えてくると思います。そういったとき ❝ 焼酎は何の料理でも合う ❞ では良くないと思います。白ワインにはこの料理、赤ワインにはこの料理とお勧めされる海外の方の方が食に対して真摯に向き合っているように僕には思えます。

黒麹、白麹の違いによるそれぞれの特徴を生かし、それに合った日本料理の提案をしていくことで本格焼酎の魅力はまだまだ拡大していくと僕は考えています。

 

白麹

 

黒麹と白麹について、テイスターはおろか、蔵元さんまでもが ❝ そこに大きな違いはない ❞ と言う方がいます。

これに対して僕の答えは ❝ 当然、違う ❞ です。

一生を費やし、白麹菌という大発見をした偉大なる先人に対し、この上ない侮辱だと感じてしまいます。業界の人間にこういうことは言ってほしくないなと個人的には思います。

誤解のないように言っておきますが、もちろん2つの麹菌についてその違いをしっかりご説明される蔵元さんが大多数ですし、それぞれの特徴に誇りを持っていらっしゃる蔵元さんばかりですからね。

 

それでは具体的なご説明を…。

白麹は、穏やかで優しい甘さが表現されることがその特徴です。
よく味わうと、繊細かつ、原料の風味がちゃんと感じられ、慎ましさの中に主張が表れています。

こちらにもその特徴が顕著に表れる実際の焼酎銘柄を記載しておきます。

 

楔 《芋焼酎》【大海酒造】 
白麹旭萬年 《芋焼酎》【渡邊酒造場】 
道中 宇佐ぼうず 《麦焼酎》【常徳屋酒造場】

 

以前、「佐藤」という芋焼酎で有名な佐藤酒造さんとこんな会話をしました。

 

 

佐藤酒造さん : 「いつか白麹で認められる蔵元になりたい」

鈴木     : 「なぜですか?」

佐藤酒造さん : 「黒麹の方が原料の味が出しやすい。
          だから白麹で認められたら、それは造りを評価されたに等しい」

鈴木     : 「では、佐藤酒造さんが思う
          この焼酎はすごいという白麹の焼酎はありますか?」
        (この質問はちょっと失礼でした…。)

佐藤酒造さん : 「渡邊さんの白麹旭萬年」

 

佐藤酒造さんの黒麹、確かにやたらと人気を博しましたが、その人気に甘んじない蔵元さんの姿勢と僕の失礼な質問に対してもしっかり他社さんをリスペクトする回答をされたことに向上心と懐の大きさを感じました。

ただ、渡邊酒造場さんの「白麹旭萬年」はほんとに美味しいと思います。特にお湯割りにしたとき、奥ゆかしさの中にさつま芋の甘みがしっかりと感じられます。

渡邊酒造場さんの焼酎は他にも芋焼酎、麦焼酎と造られていますが、どれも格別に美味しいです。是非、お試しください!!

 

 

このように白麹は、穏やかさ、優しさが風味の特徴となります。そのため、合わせる料理も繊細なお味の料理がよろしいかと思います。

例えば、筍とふきの炊き合わせなど優しいお味の煮物などがベストマッチします。
あたりの強い料理は避けた方がいいと僕は思います。

 

 

最後に

 

本格焼酎において麹菌は非常に重要です。
上記のようにこれだけの違いがあり、本格焼酎の風味を形成する上での基盤とも言える存在が麹菌です。

ですが、本格焼酎を形成するものはそれだけではないということも分かって頂きたいです。つまり、黒麹だからこうなる、白麹だからこうなるということは一概には断言できないということです。

具体的に言いますと、「常圧蒸留と減圧蒸留の違い!焼酎唎酒師が徹底カイセツ!!」でもお話しましたが蒸留方法によっても焼酎の風味は大きく左右されます。熟成の期間によっても同じことが言えます。

今回は黒麹の焼酎、白麹の焼酎の特徴を把握して頂くためにいくつか実際の焼酎を記載しましたが、酒屋さん、飲食店さんなどではこういうオーダーの仕方をおすすめします。

❝ クセがなく、すっきりとした飲み口の芋焼酎 ❞
❝ 素材の風味がしっかりと表現されている麦焼酎 ❞

などと焼酎の全体的なイメージを伝えるようにお店の店員さんにはお伝えするのがいいです。

たまにいます。

❝ 白麹でおすすめの芋焼酎お願いします ❞ と言う方が…。あまりいい言い方ではないと個人的には思います。
店員さんは知っています。黒麹、白麹だけが焼酎を構成するのではないということを。お客様のご要望にお応えしようと焼酎を全体で捉え、自身が持ってる全てを駆使し、ベストな焼酎をご提案されます。

知識はご自身の中に留めておき、実際のオーダーは、お好み、お求めのイメージを店員さんにお伝えすることをご提案します。

 

また、いつも言ってることですが、本格焼酎は造り手さんあってのものです。麹菌、原料、蒸留方法、銘柄…表に見えるものだけで焼酎を見てほしくないという願いが僕にはあります。造り手さんは焼酎を形成する目には見えない大切な要素です。

このブログを見て、次はここの蔵元さんのこの焼酎飲んでみようかなと、蔵元さんを起点に焼酎をお選び頂けたら僕は最高に嬉しく思います。

これからも皆様の焼酎に関する疑問を少しでも解消すると同時に、なかなか表に出ない蔵元さん自体のご紹介も皆様にお届けできるようここから発信していく所存であります。

今回も最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!!_(._.)_


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