偉そうな言い方ですが、麦焼酎を語る上でこれからご紹介します「特蒸 泰明」という焼酎は知っておいた方がいいと思います。
というのも、酒屋さんや飲食店さんが麦焼酎をご説明するとき、
❝ 特蒸 泰明のような … ❞ という具合に、例としてこの焼酎をあげたりすることがあるからです。
今まで知らなかったという方、安心してください。
今日僕がしっかりご説明し、その特徴、飲み方、合わせる料理のおすすめをしていきます。
今回ご紹介する焼酎をきっかけに、皆様の「麦焼酎」における世界がさらに広がりを増すよう、気合を入れて書きます!
是非、最後までお付き合いくださいませ!!
1.おすすめ焼酎
1-1 特蒸 泰明

夏季限定、冬季限定の「泰明」もありましてこちらも格別においしいのですが、あえて王道の「特蒸 泰明」を僕はおすすめします。
なお、「特蒸 泰明」は常圧蒸留100%の本格麦焼酎となります。
ちなみに「常圧・減圧ブレンド」の「泰明」もあります。
(常圧蒸留、減圧蒸留については「常圧蒸留と減圧蒸留の違い!焼酎唎酒師が徹底カイセツ!!」をご参照ください)
「特蒸 泰明」の特徴についてですが、
❝ 香ばしく、後味に甘さを感じる ❞ のがその特徴と言えます。
もちろん度数は25度としっかりあるので言い過ぎかもしれませんが、
香り、後味共にアルコール感を感じさせない印象がこの焼酎にはあります。麦の香ばしさ、甘さがアルコール感を中和すると言った方が適格かもしれないです。
思わずうまい!と言ってしまう濃厚なコクが、割っても感じられるはずです。
初めて飲まれる方は、個性的な麦焼酎という印象を受けるかもしれませんが、
今や、大分県を代表する、正統派本格麦焼酎だと僕は思っています。
個人的には 7:3 くらいの濃いめの水割りがよろしいと思います。
そこに合わせる料理なのですが、味噌との相性が非常にいいです。特に九州で広く消費されている ❝ 麦味噌 ❞ との相性が抜群です!
麦味噌の特徴としては、米麹味噌と比べて塩分が低く、甘みと香りが強いと言えます。
藤居さんも試飲会などでは自家製の麦味噌を持参され、それと合わせて「泰明」をご提供している姿を何度かお見掛けしたことがあります。
❝ 麦味噌 ❞ を使った料理、是非お試しください!!
今の季節ですと、❝ 豚バラ肉と茄子の麦味噌炒め ❞ なんかいいかもしれないですね (^^)/
1-2 舞香

こちらも絶品です。
どちらかと言えば、麦焼酎通の方におすすめしたい逸品です。
3年熟成をかけたいわゆる長期熟成タイプの本格麦焼酎となります。
先程の「特蒸 泰明」に比べ、香り、味わい共に落ち着いている印象を受けます。ですが、藤居醸造さんの特徴となります、❝ 飲み応えのある麦焼酎 ❞ という印象はこの「舞香」も十分に感じます。
この焼酎に合わせるアテなんですが、これはふざけてるわけでも何でもなく、
カントリーマアム(ココア味)です。
食後にロックでカントリーマアム(ココア味)をアテに召し上がってみてください。
本格焼酎の新たな楽しみ方だと本気で思ってます。

2.本格焼酎「特蒸 泰明」に秘められた真の魅力とは
2-1 手造り
藤居醸造さんのことをお話する上で欠かすことができないことがあります。
それは、❝ 手造り ❞ を行っているということです。
「手造り」に関しては「歴史的発明!自動製麹機の普及が本格焼酎の造りを大きく変えた!!」の「1. これぞ職人技」をご参照ください。こちらは是非、読んで頂きたいです!
初めて藤居さんにお会いしたときの最初の質問は、今でも忘れられません。
「泰明」は目立つ表ラベルに ❝ 手造り ❞ の表記はなく、裏ラベルの一文目に小さく「手造りの麹と…」と記載されているだけだったことが僕はずっと気になっていました。
どうして手造りをもっと主張しないのだろう… と。
藤居さんのお答えは僕にとっては嬉しかったですね。
言い過ぎかもしれませんが、造り手さんが僕の仕事を必要としてくれているという風に思いました。
当時、飲食店員として働いていた僕は、サービスの現場でどうやってこのことをお客さんに伝えていくべきか考えていました。
POPを作ったり、時間の限りお伝えする努力をしていたのはもう今では懐かしい記憶です。
このことは飲まれるお客さんにどうしても伝えないといけない。それが「泰明」という焼酎を手にした僕の責任だと思っていました。
(「歴史的発明!自動製麹機の普及が本格焼酎の造りを大きく変えた!!」の「1. これぞ職人技」を読んで頂いた前提での言い方ですが)
❝ 手造り ❞ の手法をずっと守り続けている藤居醸造さんのお仕事は、今も尊敬しかありません。
そしてこれこそが「特蒸 泰明」に秘められた真の魅力だと僕は考えます。

2-2 7年間の感謝
僕が本格焼酎専門の居酒屋をしていたとき、年賀状、暑中見舞いに加え、ダンボールいっぱいのカボス(藤居さんの地元大分県の名産)を頂いていました。
これはお店がオープンしてから閉店までの7年間、毎年9月に欠かすことなく送ってくださいました。
小さなお店にずっと目をかけてくださったことに、今でも本当に感謝しています。
藤居さんは都内などで開催される焼酎の試飲会に精力的にご参加されています。
藤居さんをお見掛けする度、あのときの恩が蘇るのと同時に、これからも変わることなく、藤居醸造さんの素晴らしさを多くの方にお伝えしていきたいと強く感じています。

最後に
(失礼な言い方ですが)規模的には小さな蔵元さんがお造りになられている本格焼酎が、
ここ東京では多くの焼酎ファンの心をわしづかみにした一級品としての評価を受けているのを僕は飲食店の現場でずっと見てきました。
僕のお店に藤居さんが来られたとき、「特蒸 泰明」にサインを頂きました。そこには、
❝ 飲み応えのある麦焼酎を造り続けます ❞
と書いてあります。
ひとつのことをとことん追求する藤居醸造さんの姿勢は、何か人の生き様としての見本のようにも捉えられます。
個人的にはここに夢を見てしまいます。
今回の記事を書いていて、改めて僕も頑張らないとと思ってしまいました。
以上、今回は藤居醸造さんのおすすめ焼酎についてでした!
次回も是非読んでください (^_^)v
どうして「泰明」は ❝ 手造り ❞ を主張なさらないのですか?