常圧蒸留と減圧蒸留の違い!焼酎唎酒師が徹底カイセツ!!

 

いろんな焼酎に触れていくと、「常圧蒸留」「減圧蒸留」という言葉に遭遇するかと思います。
今回はこの2つの違いについてわかりやすくご説明致します!!

とその前に、このブロブの一番初めの記事に目を通して頂きたいです。2段落目の「蒸留酒とは」の部分だけで大丈夫です!ここを読むと今回の内容がスッと頭に入って来るかと思います。

 

 

こちらを読んで頂いた前提で始めさせて頂きます!!

 

常圧蒸留と減圧蒸留の違い

 

常圧蒸留
定義:蒸留器内の気圧を操作することなく蒸留する方法
特徴:原料の風味がよく引き出され、個性がはっきりと出る
減圧蒸留
定義:蒸留器内の気圧を下げて蒸留する方法
特徴:クリアで優しい味わいになる

 

なぜ、このように特徴が分かれるのか。

これが今回の一番重要なポイントです!!

 

常圧蒸留のときの蒸留器内の「水」「アルコール」それぞれの沸点は、「100℃」「78.3℃」となります。
減圧蒸留のときの蒸留器内は、気圧が約半分下げられるため、それぞれの沸点も比例して下がります。

つまり、半分ということは理論上、それぞれの沸点は「50℃」「39.15℃」ということです。

そうすることにより、

高い温度で生成されるモロミ(焼酎の素)の香味成分が、常圧蒸留ではしっかり原酒に移行するのに対し、減圧蒸留ではそれが移行しにくくなります。

ゆえに、常圧蒸留では原料の個性がはっきり出るのに対し、減圧蒸留ではクリアで優しい風味の本格焼酎となるのです。

加えられる温度の差により、モロミの香味成分が原酒へ移行しやすいかどうかが、2つの違いを理解する上でのポイントとなります。

 

この2つの蒸留方法における風味の違いは比較的、分かりやすく感じられると思います。

もちろん「常圧蒸留」「減圧蒸留」2つの焼酎を並べて比べないと難しいとは思いますので、「芋焼酎」「麦焼酎」「米焼酎」「黒糖焼酎」と実際の減圧蒸留の焼酎銘柄を例として挙げておきます。

 

・「海」    (芋焼酎)
・「二階堂」  (麦焼酎)
・「白岳しろ」 (米焼酎)
・「れんと」  (黒糖焼酎)

 

是非、お試し頂きたいです。なるほど…と思って頂けるはずです!!

もちろん、これらの焼酎がライトに感じられる要因は他にもいくつかあります。ですが、一番の要因は「減圧蒸留」という点にあると言って良いです。

ちなみに「魔王」も減圧蒸留です。改めて飲んでみると、納得されるかと思います。

 

 

最後に

 

今回は、「常圧蒸留」「減圧蒸留」に少しでも疑問に思っている方のために。という想いと、毎年、蒸留器の仕組みに微妙に手を加えたりと、ここにこだわりを持っておられる蔵元さんもいらっしゃるため、記事に致しました。

そうです…はっきり2種類の蒸留方法だけというわけではないんです。
まさに、エンジニアのように蒸留器を改造し、その蔵独自の風味を演出するためこのような焼酎造りをされる蔵元さんもいるのです。「中圧蒸留」なんて言ったりします。

実例を出しますと、宮崎県都城市の蔵元、柳田酒造さんの「赤鹿毛」(麦焼酎)がそれにあたります。すっきりさせつつも麦の個性も主張する、食中酒という立ち位置をしっかりと見据え、かつ、原料の特徴も出るよう造られた素晴らしい焼酎です。

「常圧蒸留」「減圧蒸留」の理屈を知っていれば、こういうところにこだわりを持つ蔵元さんの主張も理解でき、一段と焼酎の楽しみの幅が広がるかと思います。

今回は、理科の授業みたいな感じになりましたね。学生時代、理科はあんまり得意ではなかったです。得意げに説明してしまいましたが、僕はバリバリの文系でした。そんな僕の話を最後まで読んでくださった方、今回もありがとうございました!!また読んでください (^_^)v

 


グラボト【本格焼酎販売店】

 

 

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2 件のコメント

  • 気圧と沸点の関係はリニアではありません。ほぼ対数的な関係になります。
    ちなみに、0.5気圧の水の沸点は、約82℃辺りです。

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