技術は心を超えない

生ビール300円


2010年の11月に中野で百伝を始め、2011年の3月に東北で震災が起きました。

宴会の予約は全てキャンセルとなり、それからしばらくは自粛ムードが高まり、

お店の経営はオープンしていきなり火の車となりました。

何か手を打たないと本当にマズイことになる。

そう思い、苦肉の策を取りました。


『 生ビール300円 』


オープンしたばかりでしたので常連さんと呼べる方はほとんどいなく、

そして世間は自粛の流れ。

何か目立ったことをやらないと誰も店に入って来ないんじゃないかと思っていました。

一方で、昔、上司に

「安売りだけは絶対にするな。店の価値を下げるだけだ」

と指導を受けてきた僕にとって、

期間限定と言えども『生ビール300円』はもはや自殺行為に等しいとも考えていました。

ですが、これは結果的に成功だったと言えると思います。

外の看板に大きく『生ビール300円』と書くことでかなりの集客ができ、

そのとき来てくださったお客様の中には、後の常連さんになってくださった方も少なくありませんでした。

でも、それ以来、

やはり安売りは僕の中では再びご法度となりました。

カレー300円


時は流れ現在。

僕は日曜日限定で学生を対象にカレーを300円でテイクアウトとして提供することにしました。

お店の近くには学生寮があり、

何人かの学生はもともと百伝に飲みに来てくれていました。

話を聞くと、

日曜日だけは寮の給食がないとのこと。

また現在は、アルバイトにも思うように入れない学生も多く、

コロナの影響はここにも反映されているようでした。

6月からは少しずつバイトのシフトも入ってくると仮定しても、

給料が入るのは7月。

ということで、

6月いっぱいまでは日曜の夕飯はうちで引き受けるよ、と約束しました。


次の日曜日で3回目になるんですが、ここだけの話、

結構大変ですね(笑)

だいたい25食くらいのオーダーなんですが、

まぁ若い彼らにある程度の量は入れてあげないとということで、

プラス10食くらいは仕込まないと平気でなくなります。

でも約束は約束なので来月まではやるつもりです。


両者の価値は


もちろん、両方とも価値のあることです。

ですが、

圧倒的に違うことは、

前者はお客さんのことを想って、ではありませんでした。

言ってしまえば、宣伝です。

でもあのときは本当に必死でして、やったことに後悔はないんですけどね。


一方、

後者もお店としての儲けなんて無いに等しいですが、

ひとりの社会人として、今の自分にできる社会貢献の形を模索しての判断なので、

例え利益は出なくても自分の選択に後悔なんてありません。


尊敬する社長


独立する前にお世話になったイタリアンのお店の社長を僕は今でも尊敬してます。

経営者としてももちろんですが、人としてですね。

この会社に入社して1週間目のある日の営業がとてつもなく衝撃的でした。

それは、

児童養護施設の子供たち約20人をお店に招待し、

フルコースの料理を無償で提供するというものでした。

もちろんジュースですが、ドリンクも飲み放題です。

後で聞いたのですが、

約30軒目の施設でようやくOKを頂いたらしいです。

それまで仕事の合間を縫って、一軒一軒企画を説明しお願いに回ったと言っていました。

僕は失礼のない言い方で社長も施設出身なのかを尋ねましたがそうではありませんでした。


❝ 子供たちの笑顔が見たかった ❞


社長がこの企画をやろうと思われた理由はこれだけでした。



先日、

社長のSNSを拝見すると、あのときと全く変わらない社長の姿がありました。

今、野菜が全然売れてなく、余剰状態になっているのは周知のことですが、

社長のお店ではこの野菜を使ってお弁当を作り、

それを施設に無償で配っているとのことでした。

僕はスマホでこのコンテンツを見て思わず、

「すごいな…」と独り言を言ってしまいました。


でも残念なのは、これを「宣伝」だと言っている人がいることです。

何もわかってない人がこういうこと言うんですよね…。

宣伝って、昔の僕みたいなことですよ(笑)

こういうことを宣伝に利用しようとするときって、

経営的な痛みはあるにせよ、とかくパフォーマンスを重視するあまり、

やる内容はもっと安易な方法を取るはずなんです。


何十食も料理作るってほんと大変なんですよ…。

やればわかります。

それを宣伝って…。

良くないですよ。失礼です。


ちなみに社長のSNS見て、僕も自分にできることを…と思ったのですが、

僕の場合、300円取ってるあたり、

そこらへんが器の小さいところですね(笑)

なんか並べて書いているようですが、全然違いますからね。


最後に


「お弁当を渡し、帰るとき子供たちがずっと手を振ってくれた。それがすべてを癒してくれた」

と社長は言っておられました。


飲食業界は今どこも厳しいです。

でもよく言いますよね。

苦しい時にどれだけのことをやったかだと。

奇跡が起きるときってこれを乗り越えたときなのかなって。

また今日から頑張ります。


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