先日、僕が所属する「焼酎部」の飲み会に
大分県は宇佐市の蔵元「常徳屋酒造場」社長兼杜氏の中園 誠さんが参加してくださいました。
僕のお仕事でも大変お世話になっておりますお方でもう何年ものお付き合いになりますが、改めて知ったことや気付かされたことがあり、
大変有意義な時間を過ごすことができました。
常徳屋酒造場さんについては以前にこのブログで詳しく記事にしましたので蔵のことについては焼酎唎酒師おすすめ焼酎 ⑥ 大分県宇佐市 常徳屋酒造場さんをご参照ください。
当日はいろいろとお話してくださったのですが、僕自身が改めてこの蔵元さんに関して思ったこと、そして今回のテーマであります「個性的な焼酎とは何か」について書いていこうと思います。
今回も最後までお付き合い頂けると嬉しいです!
個性と特徴・特長

辞書的な意味をここで記すのはやめておきます。
僕の言葉で表現すると、
「特徴・特長」は表面的または実質的な他との違いと捉え、
「個性」とは内側にある磨きに磨かれた想い、物的にはそういった想いで造られた独自の性質と言えるのではないでしょうか。
よく ❝ 個性的な人 ❞ と表現することがありますが、
真に個性的な人とは、
先人達によって培われた基本や常識といった地盤をしっかりと理解した人間こそがたどり着ける領域だと考えられます。
また、商品で言うと、
「特徴・特長」は商品コンセプトとの関連が強く、
「個性」は生産者が根底に持つ想いとの関連が強いように思います。
どの企業でも「理念」というものがあります。そしてそのもとに「コンセプト」が成り立ちます。
つまり、個性のもとに特徴・特長があるのではないかと僕は考えています。
これは一本一本の本格焼酎にも当てはまります。
❝ 焼酎造りの前に人間形成を ❞ と言う蔵元さんがいます。
一本の本格焼酎における個性を語る上で絶対に忘れてはいけないこと。
それは「人」が「本格焼酎」を造っているということです。
常徳屋酒造場さんの個性

以前、焼酎唎酒師おすすめ焼酎 ⑥ 大分県宇佐市 常徳屋酒造場さんでも強く主張しましたが、
常徳屋さんがお造りになる焼酎の個性は、
「原料に地元宇佐産の麦を使用する」ところにあると言えます。
中園さんは蔵に入ってすぐ、まず清酒蔵に修行に行かれました。
ここで酒造りの基礎を学び、蔵に戻りましたが、当時の常徳屋さんは同じ宇佐市の酒造メーカー2社と協力し3社による販売会社という協業体制をとられていました。
常徳屋さんで造られた焼酎と他の2社が造られた焼酎がブレンドされ販売されていたのです。
ここに中園さん自身葛藤があったとおっしゃっていました。
「おいしい」と言われることはあったが心から喜べない、そんな想いが当時あったと。
さらにこう続けられました。
「自分自身がこの気持ちのままでは息子に蔵を託すことができない」
このお言葉は聞き手の我々には到底理解などできない重みを感じました。
ひとりの父親として、また会社の代表としての大きな責任が含まれているように受け取りました。
その後、2003年に独立をし、「常徳屋」ブランドを立ち上げ、再スタートを切ったのです。
このとき、自分達らしさ、自分達が納得できる焼酎を追求した結果が、
❝ 地元宇佐産の麦 ❞ を使用すること
に繋がったそうです。
地域との関わり方を越えた、
常徳屋さんにとっての ❝ 生き方 ❞ とも言える想いではないでしょうか。
「個性的な焼酎」とは何も奇抜さを求めた焼酎である必要はありません。
誰もがやってないという解釈も少しずれてると思います。
葛藤を乗り越えた先にある、磨きに磨かれた独自の想いをもとに造られた焼酎、
これこそが「個性的な焼酎」であると僕は思います。
最後に

前回の焼酎部は部員の方々のお仕事の関係でいつもより人数が少なく、
わざわざ時間を作って頂いた中園さんに申し訳ないなという想いがあり、今回僕のブログで取り上げることにしました。
この記事自体にどれだけの方が目を通して頂けるかはわかりませんが、
本ブログはお陰様で月に1万PVというデータが最近コンスタントに出ています。
当日、一生懸命に僕らに語り掛けてくださった中園さんのお言葉を今回の記事でより多くの方にお届けできればと思っています。
また、今回をきっかけに常徳屋さんの焼酎を飲んで頂けたらさらに嬉しいです。
今回のテーマは「個性的な焼酎とは何か」でした。
このブログではよく「香りや味じゃない何か」を伝えると表現しています。
これは言い換えるとその蔵元さんの「個性」を伝えるとも言えます。
僕自身もっともっと自分を磨き、
本格焼酎の魅力、造り手さんのことをしっかりお伝えできる ❝ 個性的なブログ ❞ 作りをこれからもしていきます。
この場をお借りして、
中園社長、先日は焼酎部へのご参加本当にありがとうございました!!
また、今回も最後までお付き合い頂いた方、ありがとうございました (^_^)v
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