「甲類」「乙類」ということば、居酒屋などで耳にすると思います。
しかし、この違い、ぼんやりと理解してるけどはっきりとした違いまでなかなか突き詰めないですよね。
この問題、今日で卒業しましょう!!
解説の前に、頭に入れておいてほしいことがあります。
「甲類」「乙類」は優劣で分かれているのではない、 単なる酒税法上の区分だと理解しておいてください。
それでは始めます!!
甲類とは
1. 連続式蒸留
甲類と乙類、違いは「蒸留方法」にあります。
ということで、
「連続式蒸留」とは何か。これを解説していきます。
前回「蒸留」とは何か説明しました。
(「焼酎とは何か?分かりやすく5分で解説!!」)
アルコールを含んだ液体に熱を加え、アルコール部分を気体に変え、そしてそれを 冷却し、液体に戻す。
この作業により、熱を加える前の液体より純度の高いアルコールを抽出することができました。
具体的に言うと、
蒸留後の状態でアルコール度数は 約40度
では、
この一度目で得られた蒸留酒をもう一度蒸留したらどうなるでしょう。
そうです。
さらに純度の高いアルコールが抽出されます。
このように何度も何度も蒸留することで、より純度の高いアルコールを抽出する蒸留のことを
「連続式蒸留」
と言います。
アルコール度数を96度まで高めた後、加水し、一般的には25度で商品となります。
特徴としては、無味無臭で原材料の風味は皆無と言えます。ウーロン茶、緑茶、 ジュース類で割って飲まれています。
2. ホワイトリカー
次に、「ホワイトリカー」についてです。
「リカー」とは広い意味ではお酒の意ですが、一般的には、度数の強い蒸留酒を指します。
「ブラウンリカー」と言うと、ブランデーやウイスキーを指し、「ホワイトリカー」は、 焼酎を指します。
酒税法では、
甲類は「ホワイトリカー①」
乙類は「ホワイトリカー②」
と商品記載することを認め、たまにそのように記載されている甲類は見ますが、次で説明します乙類の商品表記において「ホワイトリカー②」と記載されているのを僕は見たことがありません。
つまり、
一般的に「ホワイトリカー」とは甲類焼酎を指します。
乙類とは
1. 単式蒸留
次は「単式蒸留」について説明します。
が…
もうここまで来ると見えてきますよね。
そうです。今回の蒸留は「1回のみ」です。
そうすることで、原料が本来持っている風味をしっかりと表現できるのです。
乙類の代表的な焼酎は…
ここでようやく出てきます。
「芋焼酎」「麦焼酎」「米焼酎」「黒糖焼酎」 です!!
2. 本格焼酎
最後に「本格焼酎」についてです。
冒頭で、「甲類」「乙類」という区分は、優劣の問題ではないと断りを入れておきました。実際にそうではない、単なる酒税法上の区分だとご理解頂けたかと思います。
でも、
そうは言っても人々が抱いてしまう印象ってものは単純なところにあるんだと思うんです。甲乙と記載されると、優劣を感じてしまうのは致し方無いことです。
ということで、やはり、九州の蔵元さんから異議申し立てがあったのです。なぜ自分達が「乙」なんだ…ということです。1957年のことでした。(ちなみに、これは余談ですが、最初に「本格焼酎」の提唱をした方は、霧島酒造さんの当時の社長だとされています)
そして、1971年から「本格焼酎」としての呼称、商品記載が認められました。
賛否あると思いますが「本格焼酎」ということばは、焼酎の蔵元さんにとっての仕事に対する
「誇り」
「自信」
などの想いが詰まった、大切なことばとして僕は捉えています。
すみません。
ちょっとアツくなってしまいました…。
まとめます!!
最後に
「甲類」=「連続式蒸留焼酎」=「ホワイトリカー」
「乙類」=「単式蒸留焼酎」=「本格焼酎」
どうでしょうか。
あいまいだったことが少し整理できましたか?
ここで一つ、前回と今回で1点矛盾することを言っていました。
こいつおかしなこと書いてるぞと思われたかもしれません。
それは、 前回僕は、
「含糖物質は焼酎の原料に使用できない」
と言いました。
今回では、本格焼酎の代表的なものとして
「黒糖焼酎」を記載しました。
黒糖を原料に焼酎造ってるじゃないか…。
次回はこの矛盾を解決させます。
ということで、 次回、
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