八丈島に本格焼酎あり!もう一つの歴史的産地がここだ!!

 

本格焼酎の産地が九州であることは周知の事実ですが、もう一つ、忘れてはならない歴史的産地があるのをご存知でしょうか?
それは、伊豆諸島の八丈島です。なぜ、九州から遠く離れた八丈島に焼酎の文化が伝わったのか。これが、今回のテーマです!!

その前に、九州における焼酎の起源について、簡単に抑えておきましょう。

 

九州における焼酎の起源

 

朝鮮から壱岐(長崎県)に伝わり、九州本土へ伝わったとする説と東南アジア(特にタイ)から琉球を経由して伝わったとする2つの説が有力でありますが、確固たる文献は残ってはいません。

九州における焼酎に関する記載がされている最古の文献としては、1546年にさかのぼります。フランシスコザビエルとも交友のあったポルトガルの商人にジョルジュアルバレスという商人兼船長がいました。彼が記載した航海日誌が最古の文献とされているのです。
半年間の鹿児島在住の中、以下のような記述を残しています。

「人々は米から造るオラーカ(焼酎)を飲んでいる。
オラーカ(焼酎)を飲んで正体を失った酔っぱらいを一人も見なかった。それは、皆酔うとすぐに横になり寝てしまうからである。」

この時代に米焼酎が造られていたことを示しています。ちなみに、さつま芋の普及は1700年代のことなので芋焼酎が造られ始めたのはまだ先のことです。また、鹿児島人は酔っぱらった姿をさらすことはせず、すぐ寝てしまうというのです。これがいいことなのか悪いことなのかわかりませんが…。

日本の文献は、1559年に鹿児島県大口市にある郡山八幡神社の木札に書かれたものが、最古の文献とされています。

「座主はとてもケチで、一度も焼酎を振舞わなかった。何とも迷惑なことである。」

建築工事を終えた大工さんの、神社からの期待していた振る舞い酒が出なかったことに対する愚痴であり、文献というより落書きということになりますね。

以上のことから、少なくともこの文献の50年前には焼酎は造られていただろうという推測のもと、九州における焼酎の起源は、1500年代初めとされています。
言い換えますと、何をきっかけにいつから始まったなど、はっきりしたことはわかっていないと言えます。

 

八丈島における焼酎の歴史

 

それでは今日の本題です!

八丈島での焼酎造りの起源は、1853年とされています。
この時代の代表的な事件としては、「黒船来航」です。これを境に幕末と呼ばれるようになり、時代が大きく変わっていきますね。

時を同じくして、八丈島にもこの地の歴史を変えた一人の人物を乗せた船がやってきたのです。

丹宗庄右衛門です。

鹿児島県は阿久根市の商人だった丹宗は、密貿易の罪で江戸幕府により八丈島に流刑されるのです。16年の刑だったそうです。
彼は、八丈島にさつま芋が育てられているのを見て、実家から蒸留器を取り寄せ、鹿児島の焼酎造りをここ八丈島に伝えました。

罪人としてやってきた丹宗庄右衛門は、この地に新たな産業を生み出した人物として、八丈島では丹宗神社まで建てられ、今に語り継がれている方です。

尚、初めは芋焼酎でしたが、その後、原価の高騰などで主力は麦焼酎へと変わります。(今でも芋焼酎は造られています)

 

丹宗庄右衛門

 

「罪人」と一言で済ますことができないので、過去の文献と私見を交えて記載させて頂きます。

当時の薩摩藩の家老に調所広郷(ずしょひろさと)という人物がいました。彼は藩財政改革を行うため、大島、徳之島(奄美)などから取れる砂糖の専売制と琉球を通じて行う清との密貿易という手段を取り、その改革を行いました。
その一翼を担っていたのが丹宗庄右衛門だったのです。

江戸の問屋がこの密貿易を幕府に密告すると、丹宗は罪を一身に背負い、八丈島に流刑されました。
このことをどう解釈するかは様々だと思いますが、丹宗に罪を背負う気概がなければ、今日の八丈島における本格焼酎の歴史はなかったのかなと僕は思います。

赦免後、故郷の阿久根に戻り、息を引き取ります。

阿久根にあるお墓に記されている丹宗庄右衛門の辞世の句が以下になります。

「何事も皆いつわりの世の中に人の誠はこの一つなり」

何とも意味深長な句です。

 

最後に

 

九州における本格焼酎の歴史は約500年となります。これは本当にすごいことだと思います。
ですが、八丈島の歴史も今年で165年です。絶対に軽視できない歴史です。

とある焼酎の試飲会場でのこと、出展は九州の蔵元さんがそのほとんどでした。そんな中、八丈島の焼酎蔵さんが、僕との会話の中で「僕たち島の人間がここにいていいのかな…」とおしゃっていました。

そんなこと絶対にありません。
165年という年月を守ってこられた島の歴史は、九州にはない独自の文化と言えます。

特に麦焼酎好きな方には是非お試し頂きたいですね。洗練された丁寧なお味のものから、野性味あふれるインパクトのある麦焼酎まで各蔵元さんの個性を楽しむことができます。

また、こういう見方はできないでしょうか。
罪人として流刑されてきた人の話を真剣に聞き、その技術を自分たちの文化に取り入れる。そして、それに対する感謝の気持ちを忘れずに神社を建て、記念碑まで置く。

普通、受け入れられますか?
僕はここに、元来島の方々が持つ、人の本質を見る力というものを感じます。

僕が接してきた島の方々は皆、温厚ですぐに打ち解けることができる、焼酎を愛する素敵な人達ばかりです。

そんな島の方々が造られる焼酎、心からおすすめできます!!
是非、島酒もお試しになってみてくださいね(^^)/

 


グラボト【本格焼酎販売店】

 

 

老舗蔵元が当店のためだけに造ってくださった ❝ ここにしかない本格焼酎 ❞ です。

酒質は、私鈴木が保証いたします!!

 

是非、サイトもご覧ください ☟☟☟


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です