これだけは知っておきたい琉球泡盛の基礎知識!!(焼酎の歴史番外編)

 

本格焼酎の歴史を語る上で、今回お話します琉球泡盛については欠かすことができません。それは前回を読んで頂ければ納得できると思います。
また、焼酎唎酒師という資格を取得するにあたり、泡盛を把握していないとこの試験はパスできません。

泡盛は本格焼酎にとってお兄さん的存在と言えるのではないでしょうか。

とういことで、泡盛についてしっかり抑えておきましょう!

難しいことは言いませんし、分かりやすくご説明しますので安心してください。

 

それでは始めます!!

 

泡盛の歴史

① 発祥

 

泡盛は1400年代後半には造られていたと推測されていますが、確固たる文献は現存していません。

しかし、1400年代後半ということに関する根拠として、鹿児島の島津家に残る1575年の記録によると、琉球から送られた泡盛らしき酒の記述があります。これが泡盛に関する最古の文献とされています。

また、同書には、60年前にも同じ贈り物を持って来たとの記載があります。島津家の記録なのでこれを「焼酎」と表現していますが、これが泡盛であった可能性が非常に高いとされています。つまり、1575年の60年前、1515年にも琉球から薩摩へ泡盛が贈られていたことになります。

贈答品に用いられるほどなので、造りは確立していたはずであり、そのことから少なくとも1400年代後半には泡盛は造られていたということになり、沖縄における泡盛発祥の根拠となります。

尚、どこから伝わったかについては諸説ありますが、中国福建(省)ルートと東南アジア(特にタイ)ルートの2つのルートで琉球に蒸留酒が伝わったとされています。以前まではタイから伝わったラオロンという蒸留酒が泡盛の起源とされていましたが、この時代、中国、東南アジアに渡り蒸留酒が存在しており、各国と交易のあった琉球において、ラオロンだけが泡盛の起源だとは今は考えられていません。

 

② 原料

 

1700年~1800年代頃、泡盛は琉球王朝が造りを管轄していました。
首里の三箇(赤田、崎山、鳥堀)と呼ばれる地域の約40の酒造所のみが泡盛の製造を許可されていました。造りに失敗した場合は罪人扱いという掟も存在したそうです。
造りに必要な資材、原料は王朝から支給されるという体制が取られており、当時は庶民の酒ではなく宮廷酒という立ち位置でした。

当時の原料に関して、主原料は米でしたが、大正の初めくらいまでは米以外に栗も混ぜていました。大正の終わりくらいには米のみとなります。米の品種においては、王朝時代のことははっきりしていませんが、明治からは沖縄の米だけではなく、中国、韓国の米が使用されていました。後に値段の高騰などでアジア各地の米が輸入されるようになり、大正の終わりから昭和にかけて現在のタイ米に定着しました。

タイ米を使用する理由は、一言で表すなら造りを行う上で最適だったという便宜上の理由です。硬質のタイ米は、麹菌、酵母菌、水の吸収率が高く、アルコールの収得を高めたのです。尚、現在、泡盛を名乗る上でタイ米の使用は絶対事項となっています。

また、本格焼酎で使用する米麹の米はもちろん国産米を使う蔵元さんもいますが、タイ米が多くの本格焼酎で使われています。その理由は上記と同じ理由と言えます。

 

③ 語源

 

諸説ありますが、通説(有力説)を記載しておきます。

昔は、蒸留したての酒を少し高い位置から注ぎ落し、器に注がれた泡の立ち方でその酒の良し悪しを判断していたそうです。細かい泡が立ち上がり、泡が消えるまでの時間が長いとその酒の出来は良いと評価されていたのです。これが泡盛の語源とされています。

1671年、琉球から徳川幕府への献上品の目録に「泡盛」という記載があり、これが泡盛の名を表した最古の文献となります。尚、1671年以前は「焼酎」と表記されていました。

 

黒麴菌

泡盛で使用されるこの黒麴菌が本格焼酎に多大なる影響を与えたことについては以前、お話しました。

琉球の凄いところは、黒麴菌を独自に採取していた点にあると思います。

当時は桑の木の幹に生える黒いすすのようなカビを麹菌として使用し、泡盛を造っていました。今、桑の木に生えるこのカビを採取して調べると、現在泡盛で使用している黒麴菌と同じということに驚かされます。

黒麴菌の特徴は以前にご説明しましたが、一番の特徴は、クエン酸の生成力の高さです。
温暖な沖縄では他の様々な菌にとっても繁殖しやすい環境となり、酸度の弱いモロミ(泡盛の素)では雑菌による腐敗を抑えることができません。そこでこのクエン酸の生成力の強い黒麴菌が常夏の沖縄では最適な菌となるのです。

このように、黒麴菌の源流は沖縄県民の知恵にあると言ってよいと思います。

 

 

製造方法と古酒(クース)

① 泡盛の製造方法

 

「製麹」→「一次仕込み」→「蒸留」→「濾過」→「熟成」

と簡単にまとめてみました。
本格焼酎の製法の「二次仕込み」がない造りと抑えておくといいと思います。
尚、この製法を「全麹仕込み」と言います。

ではなぜ、「二次仕込み」がないのか。
ここがポイントです。

やはり、風土の影響がその理由です。

本格焼酎で行われる「二次仕込み」では大量のデンプンを含んだ原料と水が加わり、一次モロミで生成されたクエン酸はこの時4分の1くらいまで薄まります。つまり、腐敗の危険性が高まることを意味します。常夏の沖縄ではその危険性がさらに高まるため、「一次仕込み」のみの製法となるのです。

 

② 古酒(クース)

 

焼酎の世界では「こしゅ」と読みますが、泡盛の世界では「クース」と読みます。

古酒の定義は最近(平成27年8月1日)、大きく変わりました。

以前は、例えば、10年熟成させたものが総量の51%以上ブレンドされていたら「10年古酒」と表記出来ましたが、改正後は、100%10年熟成されたものでないと「10年古酒」とは表記出来なくなりました。

規制が厳しくなったと言えます。また、以前からブレンドすることなく100%古酒を造っていた蔵元さんを尊重する改正とも捉えられます。

 

③ 仕次ぎ

 

仕次ぎとは、泡盛の熟成方法のことです。

例えば、「10年古酒」、「7年古酒」、「5年古酒」、「3年古酒」、「新酒」とそれぞれの甕で熟成されている場合、10年古酒から汲み取った分の泡盛は7年古酒の甕から注ぎ足され、その分は5年古酒から注ぎ足され、さらにその分は3年古酒から注ぎ足され…といったように循環させていくことで、古酒の芳醇さを保ちながら劣化を防ぐことができるのです。

本格焼酎でもこの手法で熟成を行っている蔵元さんもいますが、世界的に見るとこの手法を行っているお酒はシェリー酒くらいです。

 

まとめ

 

泡盛の定義(絶対条件)は以下の通りとなります。

 

◆ 原料はタイ米を使用する

◆ 麹菌は黒麴菌を使用する

◆ 仕込みは全麹仕込みで行う

◆ 蒸留は単式蒸留機で行う

 

この条件によると沖縄以外でも泡盛は造れるということになります。事実、全く問題ありません。
ですが、「琉球泡盛」という表記になると沖縄で造ることが絶対条件となります。

尚、「琉球泡盛」はWTOのTRIPS協定の保護を受けた表示となり、シャンパンなどと並ぶいわば世界基準の表記となります。
また、芋焼酎では「薩摩焼酎」麦焼酎では「壱岐焼酎」米焼酎では「球磨焼酎」も同じことが言えます。

 

 

最後に

 

皆さんの周りに沖縄出身の方はいらっしゃいますか?

その方と一緒に泡盛を飲まれるときはきっととても楽しい時間を過ごしていることと思います。三線を弾いたり、歌を歌ったりと…。僕にもそういう人がいます。

お酒の原点がそこにはある気がするのです。

長々と焼酎、そして今回は泡盛の説明をしている僕が言うのも変かもしれませんが、お酒を飲んでるときは難しいことは考えずに一緒に飲まれる方と掛け替えのない楽しい時間を過ごして頂きたいです。

そこでの時間が想い出になり、人と人との絆を深めることになると思います。

本格焼酎、泡盛の造り手さんもそれを願っていることは間違いありません。

 

今回も最後までお付き合い頂き、ミーファイユー(ありがとうございました)!!

 


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